家を建てる際、多くの人が利用する「住宅ローン」。金額が大きいだけに、不安や疑問もありますよね。そこで今回は、知っておきたい住宅ローンの基礎知識についてお伝えします。

一般的な住宅ローンの種類

住宅ローンは、自らが居住する住宅の取得のために組むローンで、土地・建物を担保に借り入れをすることができます。

1)民間の金融機関の住宅ローン
都市銀行(メガバンク)、地方銀行、信用金庫、ネット銀行

それぞれの金融機関によって、金利や商品の内容が異なります。ハウスメーカーと提携している金融機関もあり、金利面や審査で有利になることがあります。

2)フラット35
民間の金融機関と住宅金融支援機構が提携して提供する、全期間固定金利の住宅ローン。取り扱いのない金融機関もあります。また、「ARUHI 」「FBモーゲージ」などフラット35を専門に扱う機関もあります。

返済額を左右する「金利」

住宅ローンは、利子を付けて返済します。それが「金利」です。借入額が大きい分、金利が少し変わるだけで、総返済額に数百万円の差が出ることも。長期に渡る返済になるため、よく検討して組むことが大切です。

金利は「変動金利」「全期間固定金利」「固定金利選択型」の3タイプがあります。

  • 変動金利→年2回金利が見直される。仮に金利が変動しても、元金と金利の割合が変わるだけで、返済額の見直しは5年ごと。
  • 全期間固定金利→借り入れ期間中ずっと金利が変わらない。「フラット35」は、借入時に返済終了までの金利が確定。
  • 固定金利選択型→借り入れから3年、5年、10年などの一定期間金利が変わらない。固定期間終了後、変動か固定を再度選択。

 

手続きの流れ

STEP1)事前審査
ハウスメーカーが決まったら、売買契約や工事請負契を結ぶ前に、住宅ローンの事前審査に申し込みをします。まずはここに通ってから、具体的な打ち合わせとなります。年収、雇用形態、勤務先、勤務年数、家族構成、返済中のローンの有無や健康状態などにより、返済能力を審査されます。

STEP2)本審査
土地や建物の契約が成立したら、融資実行のための本審査に入ります。事前審査時と申し込み内容が変わらなければ、基本的に本審査が否決になることはありません。借り入れ額が増える場合や、事前審査後に車のローンを組んだ、転職したなど、状況が変わった場合は否決になることがあります。

STEP3)契約
本審査が承認されたら、金融機関と住宅ローンの契約=金銭消費貸借契約を結びます。それと同時に、担保となる土地・建物に、金融機関の「抵当権」を設定するための契約も結びます。一般的に金融機関の店舗で行われ、抵当権設定のために司法書士なども同席します。

STEP4)融資実行
書類に不備がなければ、指定した日に融資が実行されます。申込者の口座を経由して、ハウスメーカー(工事請負業者)の口座に振り込まれます。

住宅ローンにかかる諸費用

住宅ローンを組む場合、金利の他にも保証料や手数料などの諸費用がかかります。かかる費用は金融機関によって異なります。

主な諸費用

事務手数料
融資実行手数料、融資事務手数料など、金融機関によって名称はさまざま。融資額に関わらず一定の額がかかる「定額型」と、融資額×○%で設定されている「定率型」があります。定率型の場合、仮に借入額が3000万円だと約60万円の事務手数料が発生します。

保証料
保証会社を利用する金融機関の場合に、住宅ローンの保証会社に対して支払う費用。借入額や借り入れ期間によって計算され、支払い方法は「一括前払い型」と「金利上乗せ型」が選べます。保証料は安いけど事務手数料が高いというプランもあるため、事務手数料と保証料を合わせた額をチェックしましょう。

その他、契約書印紙代、火災保険・地震保険料、抵当権設定費用などがかかります。

住宅ローンとセットの「団体信用生命保険」とは

住宅ローンの返済期間中、契約者に万が一のことがあった場合、残された家族はどうなるでしょうか。そんなときに保障してくれるのが、団体信用生命保険(以下、団信)です。団信とは、返済期間中に契約者が死亡や高度障害などにより支払いができなくなった場合に、住宅ローンの残高がゼロになる保険。

ほとんどの金融機関が、団信への加入を融資の条件としています。健康状態によって団信に加入できない場合は、融資がおりないケースもあります。「フラット35」の場合、団信の加入は任意ですが、他の保険に加入しておくなどの備えを用意しておくことが大切です。

最近では団信の保障内容が手厚くなっており、3大疾病、7大疾病、所定の身体障害状態(人工透析、ペースメーカー装着など)、入院保障など、金融機関によってさまざま特約があります。

団信の保険料は金利に含まれているため、別途支払う必要はありません。特約は年0.1〜0.3%、金利上乗せとなる場合が多いです。仮に上乗せしても、月々の支払いに換算すると、一般的な生命保険料と比べて安い保険料で、充実した保障に加入することができます。

住宅ローンは「借金」ではありますが、万が一のときに家族を守るための大きな保障、ということにもなるのです。

無理のない返済計画を

住宅ローンの「借りられる額」は、金融機関によって見方が異なります。一般的には返済比率25%〜35%が目安といわれています。

返済比率(%)= 年間のすべてのローン返済額 ÷ 年収 × 100

返済比率が35%でも、世帯年収や家族構成などでその負担感は変わってきます。また、住宅取得後は固定資産税やメンテナンス費用など、賃貸に住んでいたときにはかからなかった費用も考えておく必要があります。将来のライフプランを見据えて、無理のない組み方をすることが大切ですね。

TKU八代住宅展示場では、ライフプランや住宅ローンのご提案も行っています。詳しくは各メーカーの担当者に相談してみましょう。

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